読書時間: 1時間 ⭐️⭐️⭐️
あらすじ:(単行本の後表紙)
東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再開する。男の名前は木崎ーーーかつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。
「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」
運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは…。
大江健三郎賞を受賞し、各国で翻訳されたベストセラー。
感想:
「光が目に入って仕方ないなら、それとは反対へ降りていけばいい」
私は真面目人生を歩かされてきたからか、
こういう文章に痺れてしまう。
スリ現場の臨場感、絶望的な運命、
ラストシーンのその先が……、好転への一投であっ
てほしいと、思いながら読み終えました。
兄妹編として「王国」という作品があり、そこに続きが書かれているようなので、しばらくこの本の余韻に浸ったあと、読んでみたいと思います。