いつでもどこでも~駅物語(朱野帰子)~
読書時間: 1時間 ⭐️⭐️⭐️
あらすじ:
東本鉄に入社した若菜直は、東京駅へ配属された初日から乗客トラブルに見舞われ、うろたえる。
「お客様に駅で幸せな奇跡を起こしたい」。
しかし直が抱いていた本当の夢は、かつて自分に手を差し伸べてくれたあの5人を探し出すこと……。
人に助けられながら成長していく若手駅員たちを描いた感動作。
私なりの感想:
駅の裏事情もチラホラ描かれながら、新入社員が駅員として成長していく過程が書かれた、心がじんわりとする作品。
涙を流すほどの感動ではないので、電車やカフェなどで気軽に読んでも大丈夫。
また、色々なトラブルが起こるけれども、それ程複雑なトラブルではないので、どこで中座しても「なんだっけ……」となる心配もなし。
「自分のため」に会うべき人には会っておこう、
物事を自分の都合よく曲解して捉えてないか?、
いつまでも過去にとらわれず前を向いて行こう、
様々なことを考えさせてくれた本でした。
短編集と思いきや……~いけない (道尾秀介)~
読書時間:1時間~2時間 ⭐️⭐️⭐️
あらすじ:
始まりは、自殺の名所で起こった車の事故。
そこから二転三転と……飛ばし読み厳禁。
最後の1ページ……写真で、またまた真実がひっくり返る。
感想:
単なる短編集かと思いきや、連作短編集だった。
実は、読み始めた当初、舞台の地名が「白沢市」だったり、隣接している市が「蝦蟇倉(がまくら)市」だったりと………神奈川県の藤沢市と鎌倉市をオマージュしているのか?!と、本の内容もふざけている内容なのか、と身構えてしまった。
でもでも、とんだ勘違い。
読者の固定観念、思い込みを巧みに操り、最後まで気が抜けない。
ただ……「最後の1ページで、また最初から読み返したくなる」と聞いていたが、え、どーゆーこと?読み返して何を確認するの?
おそらく、私は騙されたまま、なのだろう。真実に気付けていないのだろう。悔しいので、また、後日、読み返してみたい。
各国で翻訳されたベストセラー~掏摸 スリ (中村文則)~
読書時間: 1時間 ⭐️⭐️⭐️
あらすじ:(単行本の後表紙)
東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再開する。男の名前は木崎ーーーかつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。
「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」
運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは…。
大江健三郎賞を受賞し、各国で翻訳されたベストセラー。
感想:
「光が目に入って仕方ないなら、それとは反対へ降りていけばいい」
私は真面目人生を歩かされてきたからか、
こういう文章に痺れてしまう。
スリ現場の臨場感、絶望的な運命、
ラストシーンのその先が……、好転への一投であっ
てほしいと、思いながら読み終えました。
兄妹編として「王国」という作品があり、そこに続きが書かれているようなので、しばらくこの本の余韻に浸ったあと、読んでみたいと思います。