読書時間 1~1.5時間 ☆☆☆
あらすじ(本の背表紙に書いてあるもの):
女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。欠席を表明したのは、今も変わらず抑圧的な母親に会いたくなかったからだ。だが、理穂とメールで連絡を取るうちに思いがけぬ訃報を聞き…。(「ポイズンドーター」)
母と娘、姉と妹、友達、男と女。
善意と正しさの掛け違いが、眼前の光景を鮮やかに反転させる。
名手のエッセンスが全編に満ちた極上の傑作集!
私なりの感想:
まさに自分の境遇と照らし合わせてしまい、一気に読むことは出来なかった。
一話を読み終わると、少し休憩を挟みつつ、読み進めていった。
読んでいくうちに、私の母は、毒親だったのか?と思い至り、子供のころの嫌な悲しい記憶が胸の中に広がっていき、やり場のない虚しさが心に浮かび上がり、苦しくなっていった。
だが、最後、「ホーリーマザー」での、理穂のセリフで、違った景色を教えられた気がして、本を読み終わった今、頭の中に色々な考えが浮かんでは消え、浮かんでは消え...複雑な感情がジワリと生まれてきている。
自分を変えられるのか...我が子には同じ道を踏ませないように気を付けていかなければ...
母を憎んでいる私だからこそ、嫌な読後感になりながらも、心を正常に戻そうとする自分もいることに気づかされる。