chachirin’s reading diary♪

あと1週間で誕生日がくる…あと3週間で新年を迎える…あと2年でちょうどキリの良い50歳になる…そーんな中途半端な時に、これから読んでいく本を書き留めて見ようかなぁ、と。そんなことをふと思い立ち、始めてみました。

いつでもどこでも~駅物語(朱野帰子)~

読書時間:    1時間     ⭐️⭐️⭐️

 

あらすじ:

東本鉄に入社した若菜直は、東京駅へ配属された初日から乗客トラブルに見舞われ、うろたえる。

「お客様に駅で幸せな奇跡を起こしたい」。

しかし直が抱いていた本当の夢は、かつて自分に手を差し伸べてくれたあの5人を探し出すこと……。

人に助けられながら成長していく若手駅員たちを描いた感動作。

 

 

私なりの感想:

駅の裏事情もチラホラ描かれながら、新入社員が駅員として成長していく過程が書かれた、心がじんわりとする作品。

涙を流すほどの感動ではないので、電車やカフェなどで気軽に読んでも大丈夫。

また、色々なトラブルが起こるけれども、それ程複雑なトラブルではないので、どこで中座しても「なんだっけ……」となる心配もなし。

 

「自分のため」に会うべき人には会っておこう、

物事を自分の都合よく曲解して捉えてないか?、

いつまでも過去にとらわれず前を向いて行こう、

様々なことを考えさせてくれた本でした。

 

 

短編集と思いきや……~いけない (道尾秀介)~

読書時間:1時間~2時間  ⭐️⭐️⭐️

 

あらすじ:

始まりは、自殺の名所で起こった車の事故。

そこから二転三転と……飛ばし読み厳禁。

最後の1ページ……写真で、またまた真実がひっくり返る。

 

 

感想:

単なる短編集かと思いきや、連作短編集だった。

実は、読み始めた当初、舞台の地名が「白沢市」だったり、隣接している市が「蝦蟇倉(がまくら)市」だったりと………神奈川県の藤沢市鎌倉市をオマージュしているのか?!と、本の内容もふざけている内容なのか、と身構えてしまった。

でもでも、とんだ勘違い。

読者の固定観念、思い込みを巧みに操り、最後まで気が抜けない。

ただ……「最後の1ページで、また最初から読み返したくなる」と聞いていたが、え、どーゆーこと?読み返して何を確認するの?

おそらく、私は騙されたまま、なのだろう。真実に気付けていないのだろう。悔しいので、また、後日、読み返してみたい。

各国で翻訳されたベストセラー~掏摸 スリ (中村文則)~

読書時間: 1時間  ⭐️⭐️⭐️

 

あらすじ:(単行本の後表紙)

東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再開する。男の名前は木崎ーーーかつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。

「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」

運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは…。

大江健三郎賞を受賞し、各国で翻訳されたベストセラー。

 

 

感想:

「光が目に入って仕方ないなら、それとは反対へ降りていけばいい」

私は真面目人生を歩かされてきたからか、

こういう文章に痺れてしまう。

スリ現場の臨場感、絶望的な運命、

ラストシーンのその先が……、好転への一投であっ

てほしいと、思いながら読み終えました。

 

兄妹編として「王国」という作品があり、そこに続きが書かれているようなので、しばらくこの本の余韻に浸ったあと、読んでみたいと思います。